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翻訳家の卵がシャーロック・ホームズを翻訳してみた『ライゲートでの難問』その8

シャーロック・ホームズは約束を守った。ちょうど十三時に、ホームズは大佐の喫煙室で私たちと合流した。ホームズは背の低い老紳士と同行していた。そして、その老紳士は、最初に強盗に忍び込まれていたアクトン氏だと紹介された。
「僕が大佐にこの小さな事件の全容を説明する間、アクトンさんが出席することを僕は希望しました」ホームズは言った。「アクトンさんが僕の説明によって、非常に興味深い何かを得ることは当然だからです。大変恐縮です。親愛なるヘイター大佐、私のような厄介者を泊めてしまったことを後悔しているに違いありません」

「それどころか」穏やかに、大佐は応えた。「君のすばらしい推理を目の当たりにできる機会が与えられたことを絶賛に値する光栄だと考えてさえいるよ。私は白状するぞ、カニンガム氏たちが全くもって私の予想を上回るやつらだったと。そして、ホームズ君の推理の結果を覆せないことを完全に認めているよ。まだ残りの証拠を見てはいないがね」
「申し訳ありませんが、僕の推理はあなたを幻滅させるかもしれません。僕が推理をする時、常に何もかも包み隠さないのが僕の常です。僕の友ワトソンにも、知的好奇心を持つかもしれない誰かにも。しかしまずは、あの化粧室での出来事によって僕は思ったより動揺しているようなので、大佐、あなたのブランデーを少しもらい自分を落ち着かせようと思います。ここ最近、思っていた以上に僕の底力が試されていたようです」
「これ以上精神的発作がホームズ君に起きないことを願っているよ」
シャーロック・ホームズは快活に笑った。「話の中で、その発作についてもふれましょう」ホームズは言った。「僕の推理から導き出されたさまざまな点をあなたたちに示しながら、順を追ってあなたたちに事件の報告を致しましょう。もしあまりはっきりしない点がありましたら、ご遠慮なくご質問ください。極めて重要かつ付随して起こるいくつかの事実の外側を認識できることは、捜査の技巧で最も重要なことです。この技術がなければ、決断力と注意力は、集中することの代わりにどこかに霧散するに違いありません。さて、この事件で大きく鍵を占めていた問題は、被害者の手に握られていた紙の残りを探すべきだということでした。それは僕の心に、最初からわずかな疑念もなくありました。これに着手する前、もしアレクさんの話が正しく、そしてウイリアム・キルヴァンさんを撃った後、犯人が即座に逃亡していたとしたなら、犯人が被害者の手からあの手紙を破った可能性は明らかになかったという事実をあなたたちにお伝えしていたことでしょう。ですが、もしあの手紙を破ったのが逃亡した犯人でなかったのなら、それをやったのはアレクさん彼本人に違いありません。カニンガムさんが階上から駆けつけた時には何人かの使用人がその現場にいましたからね。この考えは至って単純なものです。ですが、フォレスター警部はこの単純な考えを見落としていました。フォレスター警部は州の有力者が問題になるようなことを抱えることはないという想定で捜査を始めていたからです。さて、僕はあらゆる先入観を決して持たないよう努力した末、ある事実の出現によって捜査を初めからやり直す必要が出てくるかもしれない場合でも、僕はその導きに従順に従うよう努めます。その結果、アレク・カニンガムさんの供述の一部に小さな疑いを持つ僕がいることに気づきました。それから、フォレスター警部が僕たちに見せてくれた紙の切れ端の捜査を入念に行いました。ただちに、それが極めて重要な証拠の一部だということが明らかになりました。ここがそうです。さて、これを見て何か気づくことはありませんか?」
「非常に見た目がふぞろいだな」大佐は言った。
「ああ、親愛なる大佐!」ホームズは叫んだ。「この手紙は、ある二人によって交互に文字が書かれていることは全くこれっぽっちも疑う余地はありません。力強く書かれたatのtとtoに注目してください。そしてこの弱く書かれたquarterのtとtwelveのtを見比べてください。すぐにその事実に気づくことでしょう。これら四つの単語に対する、非常に短い分析結果から、learnとmaybeが強い筆跡で書かれており、whatが弱い筆跡で書かれているということを最大限の確信を持ってあなたにお伝えすることができます」

「これは驚いた! 極めて明白だ!」大佐は叫んだ。「いったいぜんたいなぜ、その二人の男はそのようなやり方で手紙を書いたのだろうか?」
「明らかに、この二人の間には不条理な力関係が成り立っていた。彼らの内の一人は疑い深く、互いが同等に関与すべきだと、彼らが実行することは何でも決定していました。この二人の男の内、atとtoを書いた男が主犯格だったことは明らかです」
「どうやって君はその考えに達したんだね?」
「僕たちは、先ほどいくつかの筆跡を比べたように、些細な1つの筆跡の特徴からその答えを推理するかもしれません。しかしそこから推理することよりも、僕たちは理由をより確実なものにします。あなたが注意深くこの紙の切れ端を調べたなら、強い筆跡のほうの男が文字と文字の間を空けて書き、もう一人の男がその間を埋められるよう、常に最初に言葉を書いていたという結論に達するでしょう。ですが、それらの空白は、もう一人の男にとって常に十分ではありませんでした。更に、もう一人の男は、atとtoの間にquaterを書く際、圧迫を感じていることがわかります。最初に全て言葉を書いた男は、間違いなく、この事件を企てた男です」

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