スリップノットのPsychosocialを和訳したので翻訳の流れと歌詞の意味を解説してみる

僕の大好きなバンドスリップノット。
スリップノットの楽曲の中でも1番のお気に入りの曲がPsychosocialになります。

そんなお気に入りのこの曲Psychosocialですが、歌詞の意味を考えることなく聴いていたのでもったいないなと思い、この度翻訳してみました。

そこそこ意訳が目立つ翻訳になっていますが、僕が翻訳した歌詞を元に、この歌詞の英文をどう翻訳したかの流れを解説するとともに、歌詞の意味も考察したいと思います。





Psychosocial – 和訳歌詞

まずは翻訳した歌詞をどうぞ!
この和訳歌詞は、元の英文の引用を翻訳したものとして掲載しています。

やれることはやった
くそったれにも祝福に満ちた運命
抜け出したい

だが切り離すことはできない
魂がすり減っているのさ

その報い、その汚らわしきもの
転覆をもって全ておまえのもとへ
偽りに祝福された精神病未体験者

おまえの受けるべき報いを暴露しに行け
おまえの墓を掘りに行け

そしておまえが蓄えるだろう金を口いっぱいに満たせ
十分理解されるだろう、また狭苦しくさせるだろう、その金を

破滅し始めている
おれだけじゃない


そしてその雨はおれたちをみな殺すだろう
立ちはだかる壁に向けて身を投げ出せ
だが他の誰にもわからない
おれの中でくすぶる、もがき苦しむ者を

社会心理に溺れる……殉教者


ああ、おれたちが横たわる道に割れ目がある
そこは悪魔が降り立ったところ

その秘め事は狂っている!
これは別に目新しいことではない
だがおれたちはその全てに怒りをぶつけているだろうか?
宿命は既におれたちに存在する

更なる汚物を誰が必要とする?
おれたちはやり直すことができた

ただおれを見てくれ、そのまなこで
そして言ってくれ、おれが間違っていると

今、虚しさだけが募る
だが、あることをもたらすメッセージがある
おれは思う、おれたちは蝕まれていると
おれだけじゃない!


そしてその雨はおれたちをみな殺すだろう
立ちはだかる壁に向けて身を投げ出せ
だが他の誰にもわからない
おれの中でくすぶる、もがき苦しむ者を

社会心理的に……


死の境界線
死の境界線
死の境界線
それはそこにある


偽りと無防備な嘘
最初に、おれはおまえに伝えようとした
おまえの有害な嘘は終わりを迎える
おれたちの怒りを止めることはできない

狩り立てられるなら
おまえが求めていることはそれか?
おれだけじゃないだろ!?


そしてその雨はおれたちをみな殺すだろう
立ちはだかる壁に向けて身を投げ出せ
だが他の誰にもわからない
溺れ続け、もがき苦しむおれを

そしてその雨はおれたちをみな殺すだろう
立ちはだかる壁に向けて身を投げ出せ
だが他の誰にもわからない
おれの中でくすぶる、もがき苦しむ者を


死の境界線
死の境界線は……

引用元から翻訳© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.





Psychosocial – 英文歌詞を和訳歌詞に翻訳した過程の解説

それでは以下に英文歌詞を和訳歌詞に翻訳した過程の解説をします。

I did my time, and I want out
So effusive fate

引用元© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.



『I did my time』は刑務所から出所したことを述べることにも使われるようですが、英文で歌詞を通して読んでみたところ、特にそういう意味合いを持たせなくてもいいように見受けられたため、「やれることはやった」と翻訳しました。
前後の英文を読んで、直訳すると「自分の時間を果たした」という風になるため、このような翻訳にしています。

『I want out』、『So effusive fate』は英語で読むと問題ない文章なのですが、日本語にすると少し違和感があるため、『So effusive fate』を先に持ってきています。
意味合いとしては、『I want out from so effusive fate』に近いため、そうしています。

『So effusive fate』は直訳すると「非常に喜びに満ちた運命」となりますが、直前に『I want out』と脱出したいということを述べているにも関わらず、「非常に喜びに〜」となっているため、この文章は皮肉を言っていると解釈することができます。

そのため、「くそったれにも祝福に満ちた運命」と翻訳しました。

It doesn’t cut
The soul is not so vibrant

引用元© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.



『It doesn’t cut』のitは直前の『くそったれにも祝福に満ちた運命』を指しているため、英文にはありませんが、butの意を訳文に込め、「だが切り離すことはできない」と翻訳しています。

その後に『The soul is not so vibrant』と続きます。
直訳すると「その魂はそんなに力強くない」となり、直前の文章の切り離せない理由を述べているため、日本語として意味が入ってきやすい「魂がすり減っているのさ」という訳文にしました。

The reckoning, the sickening
Back at you, subversion
Pseudo-sacred psycho virgin

引用元© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.



『The reckoning, the sickening』は「その報い、吐き気を催すこと」となるので、「その報い、その汚らわしきもの」と翻訳しています。
その後、『Back at you』と続くのですが、上記で述べた名詞に対して「おまえにそれが戻る」という意味ととらえ、「全ておまえのもとへ」としています。backの前にはもしかしてcomeの意味が含まれているかもしれません。

そして、『subversion』は転覆、破壊、打破などの意味があり、『Back at you with subversion』ととらえ、「転覆をもって」と訳しています。

『Pseudo-sacred psycho virgin』にあるvirginは、処女や未経験者など「初めて」という意味を表す単語となります。
この文の場合、精神病になったことのない人を指してvirginと言っていますので、精神病になったことがない人=精神病未体験者としています。その他の単語はそのまま直訳で意味が通じるため、そのままにし、「偽りに祝福された」と翻訳しました。

Go drill your deserts
Go dig your graves

引用元© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.



次は『Go drill your deserts』です。desertは複数の同じ綴りの単語があり、混乱しましたが、当然受けるべき賞罰や相応の報いという意味があるdesertだと文の前後から解析しました。

Go drillは『go to drill』を省略していると思われるため、drillという動詞の意味にある(人)に繰り返し教える、(知識など)を教え込むという意味と解釈し、「おまえの受けるべき報いを暴露しに行け」と翻訳しました。

次の『Go dig your graves』はとても簡単な英文です。
digが掘るという意味を持つ動詞でgraveが墓という意味になります。
訳では「おまえの墓を掘りに行け」としていますが、your gravesとなっているため、本来は「おまえたちの墓を」と不特定多数の人に訴えかけている文章となりますが、歌詞の前後から複数の人に語りかけていることがわかるため、「おまえ」という形にしました。
your desertsも同じです。

Then fill your mouth
With all the money you will save
Sinking in, getting smaller again

引用元© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.



『Then fill your mouth with all the money you will save』も簡単な英文です。
『all the money』に『you will save』が関係代名詞としてかかっています。
「そしておまえが蓄えるだろう金を口いっぱいに満たせ」と翻訳しています。

そして『Sinking in, getting smaller again』ですが、直前の文章のyou will saveのsaveに対する副詞節になります。
本来なら「おまえは十分理解され、再び(おれたちを)狭苦しくさせて貯蓄するだろう」と翻訳することになりますが、歌詞らしさを出すために、「十分理解されるだろう、また狭苦しくさせるだろう、その金を」と翻訳しています。

Undone, it has begun
I’m not the only one

引用元© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.



上記の二つの文はとても簡単な英文になります。
Undoneがbegunに副詞としてかかり、「破滅し始めている」と翻訳しています。
『I’m not the only one』は、「おれは唯一の人間ではない」=「おれだけじゃない」と翻訳しています。

And the rain will kill us all
Throw ourselves against the wall
But no one else can see
The preservation of the martyr in me

引用元© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.



ここからサビの歌詞になります。
綺麗なメロディのせいか歌詞もなんだか鮮やかな感じがしますよね。

『And the rain will kill us all』はこの曲の歌詞の中では意味をくみ取りやすい非常に簡単な文です。
「そしてその雨はおれたちをみな殺すだろう」と翻訳しています。
人によって、微妙なニュアンスが異なる訳文になりそうな英文ですね。

『Throw ourselves against the wall』も同じように意味をくみ取りやすい簡単な文です。
「立ちはだかる壁に向けて身を投げ出せ」と翻訳しています。
この文でいうthe wallはこの歌詞に登場する語り手に立ちふさがる相手を指していると読み取れるので、「立ちはだかる壁」と意訳しました。

次に『But no one else can see』と続きます。
noが主語についているため、この文章は否定文になります。
oneは人を指し、elseはそれ以外を指すため、「他の誰にも」と翻訳しています。
次に続くcan seeですが、直訳すると「わかることができる」となります。

実は、『But no one else can see』と『The preservation of the martyr in me』の間にはthatが省略されているため、『But no one else can see that the preservation of the martyr in me』となります。
see that節となるため、日本語訳すると「わかる」という意味になります。
これを訳すと「だが他の誰にもわからない」となります。

『The preservation of the martyr in me』は意訳しています。
直訳すると「おれの中にあるもがき苦しむ人物の維持」となり、日本語としてはよくわからない文章となるため、「おれの中でくすぶる、もがき苦しむ者を」と意訳しました。

Psychosocial, psychosocial, psychosocial
Psychosocial, psychosocial, psychosocial

引用元© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.



Psychosocialは「社会心理的な」や「心理社会」という意味の単語になり、辞書で調べると形容詞だということがわかります。
歌詞の流れからかなり意訳して、6回繰り返すところを1度にし、直前で述べられた「the martyr」の意味を含ませた「社会心理に溺れる……殉教者」と意訳しました。
martyrは殉教者という意味もあります。

Oh, there are cracks, in the road we lay
From where the devil fell

引用元© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.



次は『there are cracks, in the road we lay』です。
the roadにかかるwe layが曲者です。
layは2つの単語が該当します。
まず、自動詞で横になるという意味を持つlay。
次に、自動詞の横になるという意味を持つlieの過去形のlay。
過去形なのか現在形なのかの違いだけなのでどちらか判別がつきにくいです。

調べたところ、現在形の意味を持つlayはlieの誤用とされているようなので過去形のlayが正解になります。
ちなみに『in the road we lay』は『in the road where we lay』となります。
whereが省略されていて、we layが関係副詞になっています。

訳としては「ああ、おれたちが横たわる道に割れ目がある」としています。
横たわるとしたほうが臨場感があるため、現在形にしています。

次の『From where the devil fell』はcracksにかかっていると解析しました。
そして「そこは悪魔が降り立ったところ」と翻訳しました。

The secrets have gone mad!
This is nothing new
But would we kill it all?
Fate was all we had

引用元© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.



「The secrets have gone mad!」のgone madはgo madの過去分詞です。
go madには狂っている、どうかしているという意味があるため、『その秘め事は狂っている!』としています。
この文章は現在完了形です。
以下のような意味があります。
狂っているという状態が過去のある時点から、この歌詞の語り手がこの言葉を言うまでの間狂った状態が続いているという意味になります。

翻訳した文章は現在進行形の形をとっていますが、日本語では同じような意味になるため、このように訳しました。

『This is nothing new』はnothingがついているため、否定文になり、「これは別に目新しいことではない」と翻訳しています。

次は『But would we kill it all?』です。
ここで出てきているkillは殺すという意味ではなく、(殺さんばかりに人)に激怒するという意味だと解釈し、「だがおれたちはその全てに怒りをぶつけているだろうか?」と翻訳しています。

『Fate was all we had』は意訳をしています。
all we hadは直訳すると「おれたちが持つ全て」となります。
更にこの文を直訳すると「運命はおれたちが持つ全てだった」となります。
そのため、歌詞として華やかかつ、わかりやすくするため、「宿命は既におれたちに存在する」と意訳しました。

Who needs another mess?
We could start over

引用元© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.



『Who needs another mess?』は簡単な英文になります。
anotherは更にという意味があるため、「更なる汚物を誰が必要とする?」と翻訳しました。

『We could start over』も簡単な英文ですね。
start overでやり直すという意味になるため、「おれたちはやり直すことができた」と翻訳しました。

Just look me in the eyes
And say I’m wrong

引用元© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.



『Just look me in the eyes』は命令文になります。
justには色々な意味がありますが、この文でのjustはただという意味になります。
翻訳すると「ただおれを見てくれ、そのまなこで」となります。
the eyesはその目という意味になりますが、歌詞の怒りと陰鬱な雰囲気に合わせて、「そのまなこで」としました。

『And say I’m wrong』は少し翻訳に悩みました。
この文章も命令文です。
悩んだ箇所としては、この文章が直接話法なのか間接話法なのかというところです。
間接話法の場合、「おれが間違っていると言ってくれ」となります。
そして直接話法の場合、「おまえが間違っていると言え」となります。

文章の流れからして、曲の2番の歌詞は民衆に訴えかけていると判断し、おまえが間違っていると言えはおかしいかなと思い、間接話法だと判断し、「そして言ってくれ、おれが間違っていると」と翻訳しました。

Now there’s only emptiness
But a message to bring
I think we’re done
I’m not the only one!

引用元© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.



次は『Now there’s only emptiness』です。
直訳すると「虚しさだけがある」となりますが、「今、虚しさだけが募る」と訳したほうが自然なため、そうしました。

『But a message to bring』ですが、この文は1行前の文章と繋がっていて、直前の文章の「虚しさ」以外に「あるメッセージがある」ということを意味しています。
そのため、「だが、あることをもたらすメッセージがある」と翻訳しました。

次の『I think we’re done』という英文ですが、これも1行前の文章と繋がっており、「a message to bring that I think we’re done」となっています。
ですが、歌詞ということもあり、和訳文も歌詞らしさを出すために、あえて繋がりを少し減らしています。

そして、we’re doneは直訳すると「おれたちは終わらされている」となるため、「おれは思う、おれたちは蝕まれていると」と翻訳しました。

『I’m not the only one!』は、この曲の1番目の歌詞に出てきた英文と同じです。
「おれだけじゃない!」と翻訳しました。


次にまたサビが始まります。
1番と同じ歌詞なので同じ翻訳をしています。

Psychosocialは1番と同じように6回繰り返されます。
意訳になりますが、ギターソロへ行くための余韻として「社会心理的に……」と余韻を含む文章としました。

The limits of the dead
The limits of the dead
The limits of the dead
The limits of the dead

引用元© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.



この曲の一番かっこいいフレーズがある場所の歌詞『The limits of the dead』は「死の境界線」と翻訳しました。
limitには場所の境界を示すための意味があるため、「死の境界線」と翻訳しています。

『The limits of the dead』は4回続きますが、歌詞の行間を読むと、この歌詞の語り手の視線は死の境界のその先を見つめているだろうと解釈し、「それはそこにある」という文を最後に加え、意訳としました。

Fake and defenseless lie
I tried to tell you first
Your hurtful lies are given out
Can’t stop the killing idea

引用元© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.



『Fake and defenseless lie』は簡単な英文になります。
「偽りと無防備な嘘」と翻訳しました。

次の『I tried to tell you first』も簡単な英文になります。
firstがtriedに副詞としてかかっています。
語順を少し変え、firstを文頭に移動させ、重みのある文章にしました。
その結果、「最初に、おれはおまえに伝えようとした」と翻訳しました。
この文章は1行前の文に繋がっていると思います。

『Your hurtful lies are given out』はgive outが(蓄え、力などが)尽きる、なくなる、または(道などが)終わる、途切れるという意味になります。
そしてこの文は受動態になるため、直訳すると「おまえの有害な嘘は終わらされる」となりますが、日本語として自然な「おまえの有害な嘘は終わりを迎える」と翻訳をしました。

『Can’t stop the killing idea』は命令文にすると不自然になるため、主語のyouが省略されていると考え、「おれたちの怒りを止めることはできない」と翻訳しました。
killは上述したとおり、怒りを表す意味があるため、「怒りを」とし、ideaはこの和訳文には冗長と判断し、省略しました。

If it’s hunting season
Is this what you want?
I’m not the only one!

引用元© 2008 The All Blacks U.S.A., Inc. Issued under license to The All Blacks U.S.A., Inc. from Atlantic Records. Roadrunner Records is a registered trademark of The All Blacks B.V.



次の英文『If it’s hunting season』は翻訳をどのようにするか悩みました。
正しい意味としては、「狩猟シーズンなら」という和訳になるのですが、日本には狩猟シーズンという習慣がないため、わかりづらいと判断し、「狩り立てられるなら」と意訳しました。

次の英文『Is this what you want?』も1行前の和訳に合わせて、「おまえが求めていることはそれか?」と少し意訳気味の翻訳をしました。
正しくは「これがおまえが求めていることか?」です。

1番、2番のサビ前に必ず出てくるこの文『I’m not the only one!』ですが、3度目なので、「おれだけじゃないだろ!?」と行間を読んだ翻訳をしました。


次の文は3度目のサビになります。
基本的に同じ和訳にしましたが、3度目かつ次にもう一度サビが続くので、この歌詞の語り手の意思をより強く表現するため、『The preservation of the martyr in me』を『溺れ続け、もがき苦しむおれを』と意訳しました。

更にサビが続きます。
最後に『The limits of the dead』が2度繰り返され、歌詞は終了します。
歌詞の完結として余韻を持たせるため、「死の境界線は……」と意訳しました。


以上が翻訳の過程の解説になります。
この曲の歌詞は非常に抽象的に書かれている箇所が多くあり、行間を読み取って解釈をしながら翻訳をしています。
本来の歌詞の意味とかけ離れている箇所がありましたらご指摘いただけると助かります。



Psychosocial – 歌詞の考察

それでは、このPsychosocialの歌詞の考察をしていきたいと思います。

まず、この歌詞の中の語り手は、誰かに怒りをぶつけています。
誰に怒りをぶつけているのでしょうか?
恐らく、大多数の人から支持されている不特定多数の誰かだと考えられます。

例えば政治家だったり、活動家だったり、はたまた芸能人かもしれません。
ただし、この語り手は単純にそのような人たちに怒りをぶつけているのではなく、例えば聖人のような行動をしつつも、裏では汚職を働いているであろう人に怒りをぶつけています。

そんな偽りの偽善者がはびこるこの世界に語り手は憤りを覚えるとともに途方にもくれています。

冒頭で「抜け出したい」と言っている部分がありますが、「この世界をどうにか変えようとしているが手応えがなく、精神がすり減っている状態」であるように読み取ることができます。
もしくは「この世界に愛想を尽かし、自殺しようとしているが、それをする気力さえもない」かもしれません。

そして、語り手は自分自身が世界の中で少数の考え方を持っており、はみ出し者だということを自覚しています。
歌詞の中でこのような一文があります。
「偽りに祝福された精神病未体験者」

この一文は、聖人と民衆から支持されている人を指していると予想できます。
民衆から支持されているため、当然、大多数の人からするとこの人は精神病ではありません。

そしてはみ出し者の自分は少数の考え方を持つため、ある意味精神病なのだと考えて自身をとらえ、両者を比較しています。


語り手が敵視している相手は色々と汚い罪を犯しており、そのために自分を含めたくさんの人が苦しめられていることをこの歌詞全体を通して訴え続けています。
そしてそんな状況に憂いもしています。

サビの歌詞では、その状況が続くことでいつか自分たちに破滅をもたらすことを予感していることを語っており、それに立ち向かうべきだと語っています。
ですが、どれだけ訴えてもそのことは誰にも伝わらず、自分の心の中にその考えが存在し続けていることを語っています。


サビの最後で僕は「社会心理に溺れる……殉教者」と翻訳しました。

この曲のタイトルはPsychosocialというタイトルです。
意味は「社会心理的に」や「心理社会」という意味になります。

学問として、社会心理学という心理学があるらしく、「社会における個人の心理学」とされているようです。
この心理学は「他者が実際に存在したり、創造の中で存在したりすることによって、個人の思考、感情、行動がどのような影響を受けるのかを理解し、説明する試みである」とWikipediaには記載されていました。

語り手は自分の行動が誰かに影響を及ぼすことを望んでおり、殉教者のような自分が自身の中に存在することを認識しているようです。
そのため、サビの最後でこのような翻訳をしました。

殉教とは自らの信仰のために命を失ったとみなされる死という意味になります。
歌詞を通してよく見てみると、語り手は殉教してもいいと考えているに違いないと予想できます。


曲の2番の歌詞で「ああ、おれたちが横たわる道に割れ目がある」「そこは悪魔が降り立ったところ」と語っています。

ここでいう「道」とは人々の生きてきた道、過去を表しているのではないでしょうか。
そこには歪みがあり、その歪みのせいで世界は歪んでいると語り手は考えており、その原因こそが聖人ともてはやされている汚職者だと訴えていると僕はとらえています。

上記の文後、「みんなは心のどこかでその汚職に感づいているにも関わらず、行動できていないのではないのか?」と訴えています。
「やるべき行動は全て自分たちの心にもう存在して準備はできているはずだ」と。

そして間違っているというなら語り手の目を真っ直ぐに見つめ、間違っていると指摘してくれとも訴えています。
ただただ虚しさが募り、語り手は憂いています。


2番のサビでも1番と同じ文で語り手が思う重要なことを訴えかけています。

2番のサビの後、「死の境界線」が近くにまで迫ってきており、本当に破滅してしまうぞ、と訴えかけているように感じます。

語り手はこの世界が限界だと考えていると見受けられますね。


最後のサビ前の歌詞では語り手の怒りが爆発しかけていることを表しているように思えます。
「狩り立てられるなら」と「おまえが求めていることはそれか?」という文では、敵対視している相手が同じような汚職を働き続けるのは、語り手のような人物に、いつか行動を起こされることを望んでのことなのか? と皮肉っています。

1番、2番、3番とサビ前で必ずそう考えているのは「おれだけじゃないだろ」と民衆に訴えかけています。

語り手は自分の考えが間違っていないと確信したいということが読み取れます。
そしてサビで再度同じことを訴えかけ、歌詞は終わります。


とても鮮やかな詩で語り手の気持ちを訴えかけているなと思える歌詞だと思います。
読む人によっては異なる解釈ができる余地を残した抽象的な書き方をしているのもこの歌詞の面白いところだと思います。

この歌詞の意味を考えながら曲を聴くとまた違った感情で聴くことができるかもしれませんね。






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まとめ

歌詞の翻訳はこれが初めての経験になります。

特に難しいと感じた箇所としては、歌詞の行間を読み取り、日本語でも英文と同じような表現ができるように試行錯誤することでした。
ですが、やっていて楽しかったのも事実です。

また、自分の翻訳した文章をどのような過程でやったかを書くことも初めての試みだったのですが、非常に面白かったです。

歌詞の考察も楽しく、自分がこの歌詞から読み取ったことを漏れなく記載できたと自負しています。

そしてこの記事を読んだ方から何か感想や指摘がコメントでいただけるようなことがあるなら、よりこの記事を書いたかいがあったなと思えると思えます。

そういう素敵なイベントが起きればいいなと思いながら、この記事を終えたいと思います。




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