音楽

【おすすめ】ジェントでプログレッシブなメタルバンド『Red Helen』のデビューアルバムをレビュー

1年ほど前からかっこいいなと思っていたジェント(Djent)でプログレッシブなメタルバンド『Red Helen』を紹介します。

最近、デビューアルバムを正式にリリースし、Apple Musicなどの音楽ストリーミングサービスで彼らの楽曲が公開されています。

まだ日本では知名度はあまりありませんが、ジェントで情熱的でめちゃくちゃかっこいいメタルバンドです。
ぜひ皆さんにおすすめしたく、そして知ってもらいたいと思い、紹介とともにこのメタルバンド『Red Helen』のデビューアルバム『Trading Past For Pathways』をレビューしたいと思います。

Red Helenとはどんなメタルバンド?

Red Helenは南アフリカのヨハネスブルグ(Johannesburg, South Africa)で活動しているプログレッシブメタル/メタルコアバンドです。

メンバー構成は以下になります。

  • ブランドン・プラット(Brandon Pratt) スクリーミングボーカル(Screaming Vocals)
  • エリック・ガーバー(Erick Gerber) ギター/クリーンボーカル(Guitar/Clean Vocals)
  • グレッグ・ヴァン・ケルホフ(Greg Van Kerkhof) ベース/クリーンボーカル(Bass/Clean Vocals)
  • マット・スレッチャー(Matt Sletcher) ドラム(Drums)

2018/05/26時点では、レーベルには無所属です。

以下が、Red Helenが影響を受けたバンドになります。

  • Protest The Hero
  • Periphery
  • August Burns Red
  • Oh
  • Sleeper
  • ERRA
  • Underoath
  • Tesseract
  • Dance Gavin Dance
  • Haste The Day
  • Asking Alexandria
  • Bring Me The Horizon

Red Helenの楽曲を聴いて僕は、Periphery、ERRA、Tesseractの影響を強く受けているなと思いました。

Red Helenの楽曲の第一印象は叙情的かつロマンチスト、そして幻想的、だと感じました。
目を閉じてRed Helenの曲を聴いていると静かで大きな川の流れを想像してしまいます。
なぜかはわかりません(笑

Red Helenの楽曲の要素として、もちろん近代的なメタルバンドに多い、ジェント(Djent)な曲調も含まれています。
そして情熱的なスクリームが随所に散りばめられています。
ですが、ところどころに垣間見える切ない静けさが彼らの個性を引き立て、Red Helenが持つ、彼ら独自の儚げな情景を思わせるサウンドは聴く者を魅了します。

Red Helenとの出逢い

Red HelenはTwitterを通して知りました。
僕が持っているTwitterのアカウントで、あるフォロワーにおすすめのメタルバンドを勧めていたところ、Red Helenから自分のアカウントがフォローされ、その存在を知りました。

Red Helenは、最初はApple Musicでは曲を公開していなく、YouTubeで公開していました。
YouTubeで楽曲を聴いたところ一目惚れし、僕もRed Helenをすぐにフォローしたという次第です。

Red HelenのデビューアルバムがApple Musicで公開されたことを知った時、Apple Music内で曲を聴いたことをRed Helenにツイートしました。
Apple MusicでRed Helenの音源を聴けて嬉しかったのでツイートしたのですが、しばらくして、なんとRed Helenのメンバーから返信がきました。

そこから少し会話したのですが、Red Helenはいつか日本に来たいと言ってくれました。
もしRed Helenが来日したらライブをぜひ観に行きたいです。

ちなみにRed Helenから返信があった時めちゃくちゃ嬉しかったです(笑
当然英語でやり取りしたのですが、英語を勉強しててよかったなと改めて思った瞬間でした。

Red Helenデビューアルバム『Trading Past For Pathways』について

このアルバムのタイトルを翻訳すると、『成し遂げるために過去を引き渡す』という意味になる、はずです。
ちょっと自信がないので間違ってたら指摘をお願いします(笑

このアルバムはかなり完成度の高いアルバムになっています。
全体的に楽曲に統一感があり、Red Helenが伝えたい世界観がダイレクトに伝わってくる、という作りになっています。

情熱的で激しい一面があるかと思えば、随所随所で現れる静けさが相まって、Red Helenというバンドの個性が全面に出ています。

どこかで聴いたことがありそうで、聴いたことがないRed Helen独自の音楽性がそこにはあります。
そこに僕は非常に惹かれています。

日本でもっと有名になって欲しいですし、ぜひ来日してライブをして欲しいですね。

Red Helenデビューアルバム『Trading Past For Pathways』曲紹介

それでは、Red Helenのデビューアルバム『Trading Past For Pathways』を紹介していきたいと思います。

The Collapse

静けさを伴う少し歪んだクリーンギターでバンドアンサンブルが始まります。
そしてそれを打ち破るかのように情熱的で激しいスクリームボーカルが突如入ってきます。

ですが、曲が進むにつれ、透明感のあるボーカルと熱気を帯びたスクリームが同居し始めます。
曲の中盤ではジェントなギターがすごくかっこよく、曲全体を引き締めます。

1曲目からRed Helenという個性の塊を僕たちに訴えかけてきます。
ギターのリフとバンド全体のアンサンブルもかっこよく、たまに見せる叙情的な曲調がRed Helen独自の色を出しています。

Ode to the Corrupt

1曲目とは打って変わり、曲が始まった瞬間彼らの熱気が爆発的に弾けます。
めちゃくちゃかっこいい近代的なプログレッシブメタルな展開をし、ジェントなリフが始まります。

曲はしばらく盛り上がり続け、一度静寂を迎えます。たびたび見せるこの静寂、これがRed Helenの良さです。
そしてPeripheryを彷彿とさせるジェントな刻みで曲が進んでいきます。

全体的に激しい曲ですが、メッセージ性を感じる叙情的な曲の情景は、僕たちに何かを訴えかけているかのように感じさせられます。

The Unbreakable Resolution

捉えどころのない不思議なギターリフから曲が始まります。
ボーカルラインは透明感のあるメロディから始まるのですが、本当にこの透明感が癖になります。

そして爆発する熱いボーカルラインが曲を盛り上げ、途中の2拍3連の特徴的な気持ちのいいリフが現れます。
激しいギターリフの裏に隠れるクリーントーンで奏でる透き通るようなギターサウンド。

Red Helenのそのセンスが羨ましく感じる1曲になっています。

Solace in Suffocation

クリーンなギターサウンドを奏で、違和感なく絡み合う不純物の全くない水を連想させるドラムのシンバルでイントロが始まります。
ボーカルとともにベースが参入し、曲は優しく始まります。

かと思えば、ヘドバン必至の激しいサウンドに切り替わります。
ですが、裏ではクリーントーンでギターが色をつけるのは忘れずに曲は進んでいきます。

センスのあるジェントなリフでバンド全体でアンサンブルを行うのもこの曲のかっこいいポイントです。
本当にめちゃくちゃかっこいいです。

Peripheryなどの最近のプログレッシブメタルバンドに多く見られる、ギターでの高音なピロピロサウンドがまたマッチしていてかっこいい曲になります。

Vartamana

ゴリゴリのジェントサウンドで熱く始まります。
ですが、すぐに静寂さを取り戻します。
いい意味でこちらの期待を裏切るこの曲の展開は、センスで溢れ返っています。

静けさが続いた後、またゴリゴリのジェントサウンドが再開します。
本当にこのゴリゴリサウンドがかっこいいんですよ。

この後もいい意味で期待を裏切る展開が続きます。
ですが、聴いていて疲れない不思議な曲です。
むしろ聴いていると不思議な癒し効果があります(笑

Don’t Take Turns, Take Chances

Red Helenの定番になりつつある静かなサウンドから始まるイントロ。
そこからボーカルが入るタイミングで激しくなるバンドサウンド。
個性溢れるジェントサウンド。
全てがかっこいい1曲です。

途中8ビートの箇所が一瞬だけ登場する箇所があります。
そこが個人的に好きなポイントです。

ギターの効果音的なサウンドで視聴者を飽きさせない作りになっているのも聴いていて気持ちいいです。

Shadows

ベースがメインで始まる曲です。
裏にはさりげなくクリーンなギターが鳴っています。

透明感のあるボーカルと情熱的なボーカルが同居して曲は展開していきます。

途中一瞬だけあるベースのスラップがかっこいい!
また、その直後にあるバンド全体でのキメがまたかっこいい!

その後に、このアルバムの中で一番のジェントサウンドを奏でます。
プログレッシブメタルらしく、さりげないポリリズムが一瞬だけ取り入れられていることから、Red Helenのセンスの高さを知れます。

サビは特徴的なメロディラインでとても綺麗です。

Home

強烈なサウンドで始まる1曲です。

途中このアルバムの中では珍しいロック調な場面があります。
その場面は自然に曲に溶け込んでおり、ある意味このアルバムの聴きどころかもしれません。

そのロック調な場面は聴いていて、Asking Alexandriaを彷彿とさせます。

Trading Past for Pathways

このアルバムのタイトルにもなっている楽曲です。
このアルバムのタイトルを飾る曲として恥ずかしくないとてもセンス溢れる1曲になっています。

曲の始まりは、このアルバムで一番プログレッシブメタルな要素が詰まっています。
その直後、ギターアルペジオの中にジェントサウンドが奏でられるという不思議な空間が発生します。

サビ直前の効果音的なギターのメロディは本当にかっこいいです。
サビも綺麗で気持ちよく聴けます。

曲の途中で少しジャズを連想させる場面があり、それがとても幻想的に感じさせられます。

このアルバムの中で曲の展開に色々な思いを込めたのかな、と思わせる曲になっています。
物語性のある曲になっており、聴いていて次の展開が気になる曲です。

Suicide Notes & Bloodshot Eyes

これまでの曲とは打って変わり、不穏な雰囲気が漂いながら曲が始まります。

これを聴いていて思ったのですが、Red Helenは色々な表情を持っていて本当にセンスがあるなと思いました。
表現したいこと、やりたいことをきちんと曲に落とし込めているのが曲を通して伝わってきます。

今までの曲とは異なるように思えますが、激しいサウンドの中にある静けさはきちんと曲の中に散りばめられており、Red Helenの個性がきちんとそこにはあります。

最後は感動的なメロディでこのアルバムは終わりを迎えます。

まとめ

アルバム全体を通して聴いてもらえればわかると思いますが、全体を通してRed Helenの個性が貫かれていることを感じ取れるかと思います。
バンドサウンドは非常によくまとまっており、メッセージ性の強いアルバムになっています。

随所随所で何度も言っていますが、激しいサウンドの中にある静けさがこのバンドの特徴だと個人的に思っています。

ぜひ日本でも有名になり、来日してほしいです。
来日した際はぜひライブに行きたいです!