「そういうことです」微笑みながら、ホームズは言った。「危険で無謀な試みだったのです。その無謀な行為には、アレクさんの影響力が大きかったように思われます。そしてカニンガムさん親子は何も見つけることができず、あるありふれた強盗が現れ、その輩が持ち帰ることができるもの全てを最後に奪い去ったと思わせることによって容疑をそらすことを試みた。これで申し分なく全てがはっきりしました。ですが、まだ明確になっていない極めて重要なものがありました。何よりも僕が求めたものは、欠落した手紙の残りを手に入れることでした。僕は、アレクさんがその手紙を被害者の手から破ったと確信していました。そして、それをガウンのポケットに突っ込んだに違いないとほぼ確信していました。他にどこに、アレク氏はその手紙を保存している可能性があったでしょうか? 唯一の問題は、まだポケットに手紙があるかどうかでした。それは、調べる努力をする価値がありました。そしてその手紙のために、僕たち全員はカニンガム邸へと向かいました。僕たち全員が覚えているとおり、勝手口の外で、カニンガムさん親子は僕たちと合流しました。もちろん、カニンガムさん親子がこの手紙の存在を思い出さないだろうことが最も重要なことでした。さもなければ、カニンガムさん親子は当然、あの手紙を真っ先に破棄していたでしょう。フォレスター警部は、まさにカニンガムさん親子に、世界中で最も幸運な機会によって僕たちがその手紙を差し押さえられそう、という重要なことを話すところでした。それは、ある一種の発作で僕が倒れた時のことです。ですがその結果、会話の流れは変わりましたがね」
“翻訳家の卵がシャーロック・ホームズを翻訳してみた『ライゲートでの難問』その10” の続きを読む