翻訳家の卵がシャーロック・ホームズを翻訳してみた『ライゲートでの難問』その8

 シャーロック・ホームズは約束を守った。ちょうど十三時に、ホームズは大佐の喫煙室で私たちと合流した。ホームズは背の低い老紳士と同行していた。そして、その老紳士は、最初に強盗に忍び込まれていたアクトン氏だと紹介された。
「僕が大佐にこの小さな事件の全容を説明する間、アクトンさんが出席することを僕は希望しました」ホームズは言った。「アクトンさんが僕の説明によって、非常に興味深い何かを得ることは当然だからです。大変恐縮です。親愛なるヘイター大佐、私のような厄介者を泊めてしまったことを後悔しているに違いありません」
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翻訳家の卵がシャーロック・ホームズを翻訳してみた『ライゲートでの難問』その7

 治安判事は肩をすくめ、質素な家具が置かれたごくごく普通の部屋へ私たちを案内した。私たちがその部屋の窓に移動すると同時に、ホームズは私と彼が最後尾になるよう後ろに下がった。ベッドの足近くにあるテーブルには、オレンジが盛られた皿と水差しが並んでいた。私たちがそのテーブルを通り過ぎると同時に、筆舌に尽くしがたいが驚くことに、ホームズは私の前に屈み、テーブルにあるもの全てをわざとひっくり返したのだった。水差しは数えられないくらい粉々に割れ、オレンジは部屋の隅という隅に転げ回った。
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翻訳家の卵がシャーロック・ホームズを翻訳してみた『ライゲートでの難問』その6

「まず、」ホームズは言った。「カニンガムさん、あなたに報酬を用意していただきたい。というのは、警察だと、その金額に合意するのに少し時間がかかるかもしれませんし、更にこういうことは即座に決定されたためしがありません。報酬に関することはこの用紙に書き留めてきました。もしカニンガムさんがこの用紙に署名していただけるなら……。僕は50ポンドで十分なくらいだと考えています」
「喜んで500ポンド支払おう」治安判事は、ホームズからその用紙と鉛筆を受け取りながら言った。「だが、この用紙に書かれた内容は正しくないな」その文書にざっと目を通し、カニンガム氏はつけ加えた。
「急いでそれを書いたもので」
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翻訳家の卵がシャーロック・ホームズを翻訳してみた『ライゲートでの難問』その5

 ホームズが喋り終えると同時に、二人の男が屋敷の隅の辺りから庭園内の小道を降りてきた。一人は威厳に満ち、深いしわが刻まれ、重々しい目をした顔つきの初老の男だった。もう一人は、快活で人当たりのよさそうな威勢のいい青年だった。その青年の服装は派手で、私たちをこの屋敷にもたらした用件とは奇妙なほどに不釣り合いであった。
「あらら、まーだそんなところにいらしたんですか?」ホームズに向けて、アレク氏が言った。「あなたのようなロンドン人は決して失敗しないと俺は考えていたんですよ? やっぱり、とてもじゃないがあなたはそんなに頭が切れるようには思えないなー」
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翻訳家の卵がシャーロック・ホームズを翻訳してみた『ライゲートでの難問』その4

 フォレスター警部が一人で戻ってくる前に、一時間半はゆうに経過していた。
「ホームズ殿は外でその場を行ったり来たりしています」フォレスター警部は言った。「ホームズ殿は私たち四人全員で屋敷に行きたいと言っています」
「カニンガム邸にかい?」
「そうです、ワトソン殿」
「なんのために?」
 フォレスター警部は肩をすくめた。「私には全く検討もつきません、ワトソン殿。ここだけの話、ホームズ殿は病気からまだ全く回復していないのではと思っています。あの人は非常におかしな行動をし続けています。そして心なしか興奮しています」
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翻訳家の卵がシャーロック・ホームズを翻訳してみた『ライゲートでの難問』その3

「我々は、アクトン邸での事件の手がかりを持っていません。ですが、我々は十分に捜査を続ける必要があります。各事件において、同じ強盗だということに疑いはありません。そして、犯人は目撃されています」
「これはこれは」
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翻訳家の卵がシャーロック・ホームズを翻訳してみた『ライゲートでの難問』その2

「旦那様、お聞きになりましたか!」使用人は息を切らした。「カニンガム邸ででございます! 旦那様!」
「強盗かね!」大佐はコーヒーカップを宙に浮かせたまま叫んだ。
「殺人でございます!」
意思とは関係ないように、大佐から自然と息が漏れた。「ああ、なんてことだ!」大佐は言った。「誰なのだ? それで誰が殺されたんだね? 治安判事かね、それとも判事の息子かね?」
「どちらでもございません、旦那様。御者のウイリアムでございます。胸を撃ち抜かれ、もうあの方が話されることありません、旦那様」
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翻訳家の卵がシャーロック・ホームズを翻訳してみた『ライゲートでの難問』その1

 それは、私の友、ミスター・シャーロック・ホームズがある過労から回復する前のある時期のことだった。1887年の春、彼は骨が折れるほどの多大なる努力の末、健康に支障をきたしていた。その事件、オランダ・スマトラ社とモーペルテュイ男爵の驚くべき陰謀は、つい最近起きた事件として大衆の心に残って新しい。そして、政界と財政にあまりにも密接に関係しており、私の一連の手記にふさわしい対象になっている。しかしながら、その奇妙で複雑な事件は、私の友が生涯を通し、犯罪に対して立ち向かっていくという、価値のある鮮やかなる武器を群衆に知らしめる機会を間接的にもたらしたのだった。
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イケメンが美少女に復讐!「政宗くんのリベンジ」アニメ動画-感想、レビュー

学園物のアニメに飽きかけていた僕ですが、最近「政宗くんのリベンジ」を見て感銘を受けたのでレビュー、感想とともにこのアニメの紹介をしたいと思います。

政宗くんのリベンジ
©竹岡葉月・Tiv・一迅社/「政宗くんのリベンジ」製作委員会より引用

学園物はもう見飽きたよ! というそこのあなた!
面白いアニメなのでぜひ見てください!
この記事があなたの背中を押すきっかけになれば幸いです。
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【おすすめ】ジェントでプログレッシブなメタルバンド『Red Helen』のデビューアルバムをレビュー

1年ほど前からかっこいいなと思っていたジェント(Djent)でプログレッシブなメタルバンド『Red Helen』を紹介します。

最近、デビューアルバムを正式にリリースし、Apple Musicなどの音楽ストリーミングサービスで彼らの楽曲が公開されています。

まだ日本では知名度はあまりありませんが、ジェントで情熱的でめちゃくちゃかっこいいメタルバンドです。
ぜひ皆さんにおすすめしたく、そして知ってもらいたいと思い、紹介とともにこのメタルバンド『Red Helen』のデビューアルバム『Trading Past For Pathways』をレビューしたいと思います。
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